約33万年前の加久藤火砕流により生じた溶結凝灰岩の岩壁です。オーバーハングしているところは溶結凝灰岩の熱が抜けるときできる割れ目(冷却節理;通常鉛直方向に発達〔柱状節理〕)が斜め~水平方向に発達する「エンタブラチャー」といわれる節理です。
エンタブラチャーの成因は、私の理解では、融けた火砕流堆積物が冷え固まるときに拡散クリープ(流体が変形〔クリープ〕を支配する;つまり非常に変形しやすい)が生じて、溶結凝灰岩がズレ動きやすくなって、本来鉛直方向に発達する冷却節理が斜め~水平方向を向くようになったと考えられているようです。
オーバーハングが河川の浸食に起因するのか、エンタブラチャーに起因するのか、その両方に起因するのかは不明です。